小浜の伝統行事・祭礼

小浜市の伝統行事と食 PDF(6MB)

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 豊かな自然、そして、大陸や都との交流が発達した小浜市には、今もなお、暮らしとともに多種多様な伝統行事が営まれています。

 「若狭は、民俗文化財の宝庫」と言われる小浜市においても、全国的な課題となっている生活文化や社会環境の激変、あるいは人口減少・少子高齢化が進む中で、後継者育成・行事継承は難しいものとなっており、伝統行事の把握調査が急務となっています。

 現在、市や市民調査員の方々が、伝統行事とそれらの行事によって育まれてきた行事食を調査しています。この調査の結果、今でも、個々の集落単位で多くの講等の伝統行事が実施されていることがわかり、特に行事食には食材として鯖が使われることも特色と言えるでしょう。

 昔、若狭湾で荷揚げし、浜で一塩した鯖を京都へと運んだ道は、いつしか「鯖街道」と呼ばれるようになり、その道は、小浜から幾筋も張り巡らされ、それだけ多くの鯖が運ばれたことは代名詞ともなる「京は遠ても十八里(72km)」が物語っています。

行事の地域性

和久里壬生狂言

 市街地に河口をもつ南川沿いには、松上げや愛宕祭り等の火祭り、和久里壬生狂言、祇園祭、六斎念仏等、京都と大きく関係する行事があり、一方、北川沿いには、田の神まつり・子ども神輿等の行事が残っています。寺社では、王の舞、お水送り、数珠繰り等が伝えられ、さらに、海と接していることから小浜城下(現市街地周辺)から漁村部・農村部・中山間へと棒振大太鼓、獅子舞、神楽太鼓等の様々な伝統芸能が伝播し、洗練されながら、祭礼行事として展開されています。

 また、旧暦4月8日に地の花々を長い竹等の先にくくりつけて、庭先に立てるうづき八日(天道花)や旧暦10月に亥の子餅を食べる亥の子等の時節によって、各家庭で行う行事もわずかながら残っています。

 これらの行事は、往古から現在までの緩やかな時間の中で、強い地域コミュニティを育むとともに、先人達が守り抜いてきた豊かな自然景観と一体化されてきた副産物といえ、今を担う私達がそれらを理解し、後世への贈り物としてつないでいきましょう。